民間保険会社の個人年金は課税・非課税?
非居住者に対する年金課税
マレーシアにロングステイしている場合、
日本の厚生年金は所得税がかからないと聞いたことがあるが民間の個人年金はどうなのか調べてもよくわからないのではないでしょうか?
厚生年金に関しては社会保険業務センターに届けると良いみたいだということがインターネットの検索でわかります。
それでは民間の個人年金はどうでしょうか?
民間の個人年金は、社会保険業務センターとは関係がありません。
結論は、民間の個人年金の場合でも日本とマレーシアの租税条約により、
年金支給開始前に税務署に届け出ることにより日本の所得税を回避できます。
租税条約ですが基本的にはどちらか一方の国で課税するということです。
日本に届け出を提出するということは、
日本は非居住者でマレーシア居住なので年金の課税国はマレーシアですという申告になります。
それではマレーシアで課税されるのかということですが、
マレーシアは、年金は非課税なので結局、
課税されないということになります。
個人年金の請求手続き
それでは、具体的な手続きについて朝日生命保険会社の例で説明します。
先ず、保険会社に海外居住者であることをインターネットまたは担当の
支店に出向いて申告します。
書類送付先は海外の住所にします。
年金支給開始1ヵ月ほど前に年金請求書が送られてきますので
必要書類を準備して年金開始支給日の2週間程前に保険会社に
到着するように郵送します。
必要書類は、次の書類になります。
1.年金請求書
2.租税条約に関する届出書(2部)
3.租税条約実施特例法に基づく届出書
4.在留証明書
2の租税条約に関する届出書(2部)を保険会社経由で税務署に提出
してもらう事により納税管轄国がマレーシアに移ります。
3の租税条約実施特例法に基づく届出書は、朝日生命保険会社独自の
ものです。
4の在留証明書はマレーシア日本国大使館で取得します。
尚、一時金で貰う場合は、上記の他にサイン証明が必要になります。
留意点
留意点は、朝日生命の場合、電話でのやり取りは出来ますがメールでの
やり取りが出来ません。
日本の管轄は、日本の自分の住所地を管轄する支店になります。
保険会社により手続きは、少しづつ変わりますので自分の保険会社に
事前にお問合せください。
上記の手続きは中途半端にしてしまいますと余分な税金を納める
ことになります。
日本居住で個人年金を支給される場合の税金は、課税対象額が
年額25万円以上の場合、源泉徴収することになっています。
源泉徴収額ですが、支給額から経費(おおよそ掛け金の額)を差し引いた課税対象額の10.21%です。
非居住者の場合、この源泉徴収額が、2倍の20.42%と定められて
います。
ですから、海外居住であることの申告だけして租税条約に関する届出書を税務署に提出してもらわないと2倍の税金を納めることになります。
以下、厚生年金等の国の年金の場合の手続きです。
厚生年金等の国の年金の場合
■海外での年金受け取り方法
海外転出届を市役所に提出または提出済みであること。
社会保険事務所で「年金の支払いを受ける者に関する事項」
という用紙を入手し所定事項に記入後、
社会保険業務センターへ送付する。
受取金融機関は日本またはマレーシアの金融機関のどちらでも指定可能。
社会保険庁・国民年金ガイド
■年金課税
基本的に非居住者は、課税対象額の20.42%を所得税として課税。
但し、海外転出届を提出し租税条約締結国に住む人の場合は、
「租税条約に関する届出書」様式9号を
「年金の支払いを受ける者に関する事項」
と共に社会保険業務センターに提出すると、
日本での年金への所得税は免除され、
マレーシアの税法にて課税されることになる。
ちなみにマレーシアは年金は、非課税。